不妊治療での漢方薬の位置づけ

 不妊治療において漢方薬の治療効果というのはどのくらいあるのでしょうか?
実験的には有効とされるエビデンスは私はあるのかわかりませんが、
私の経験から、効果はあると思います。
しかし、『漢方を飲む = 妊娠 』ではないように思います。
とってもまじめに飲んでいただいてるお客様がたくさんいらっしゃいますが、
全員が妊娠するとは限りません。
漢方を飲むということは、妊娠しやすい体を作ることだといいますが、
体に不調を訴えている人・不摂生をしている人でも
妊娠をするので必ずしも体を作らないと妊娠をしないということでもないと思います。
そしたらなんのために?
と疑問がわいてくると思います。
私が思うのは、妊娠をするという事よりも、妊娠してから後のこと、
授かったあかちゃんに、たくさんの栄養を与えるための準備をしているんだと考えました。
体を作っているかどうかは、我が子の健康状態に影響している。
妊娠が目的ではない、自分の子どもを授かり元気に育てるのが目的なのでその一歩が
体づくりだと考えました。
私の師匠にも聞きました。
妊娠をするというのは、自然界の動物はあたりまえのこと。
人間もあたりまえのことです。
体調にちょっとしたひずみがあるから、自然に体を戻してあげるだけだと言ってました。
本来のリズムにのれる体に戻してあげる本能をよび起こす事ができます。
漢方の考え方には、体の中にも、自然界があると考えます。
通常の環境(季節・時間・生活環境)を大宇宙、人体を小宇宙といいます。
自然のあたり前のことに体のリズムを整えていくのが健康で、
子孫を残すことも、動物として当たり前のことになってくると思います。
漢方薬は薬ですが、使い方によっては、あなたの体に眠っている力を取り戻してくれると信じています。