臨床医学各論 第8章 整形外科疾患
形態異常
先天性股関節脱臼
先天的に大腿骨頭が寛骨臼から脱臼している状態をいう。
〈疫学〉
性差は1:5~9で女児に多い。また、人種差があり日本は多い。
〈原因〉
原因はあきらかではない。家族内発生が多い。
〈症状〉
新生児期
①下肢の一の異常→内転内旋位
②クリック音
乳児期
①股位異常
②下肢短縮(アリス徴候)
③大腿皮膚溝の左右非対称
④寛骨臼の空虚
⑤歩き始めの遅延
⑥トレンデレンブルグ徴候
⑦跛行
〈治療〉
装具療法
・フォンローゼン装具
・リメンビューゲル装具療法
・ロレンツ・ギプス固定法
〈予後〉
早期発見され早期に整復されたものは比較的良好。1歳半を過ぎて発見されたものは予後不良