臨床医学各論 第8章 整形外科疾患
変形性膝関節症:高齢者の愁訴で最も多い疾患のひとつ。
〈疫学〉
40歳以上の太った女性に多く、膝関節では一次性が多い。
〈原因〉
一次性では、加齢による退行変性が原因と考えられ、二次性では、半月板損傷、靱帯損傷、骨折、化膿性関節炎、関節リウマチなどから続発する。
〈症状〉
運動開始時の疼痛、大腿四頭筋の萎縮
〈検査〉
X線検査:関節の隙間が狭くなる、軟骨下骨が固くなる、異常な骨の形成
徒手検査:膝蓋跳動、膝蓋骨圧迫テスト
〈治療〉
①保存的治療
生活指導:関節への負担を減らすために体重減量、長時間立位・歩行の制限などを指導する。
②観血的治療
頸骨高位骨切り術、人工関節置換術、関節鏡視下デブリドマン
装具:偰状足底板を使用
薬物:外用薬
理学療法:大腿四頭筋の強化を中心にトレーニングを指導する。
関節内注入療法:ヒアルロン酸ナトリウム、岸呂カイン、ステロイド薬